オキシトシンの自閉症の子供向けの薬はある?2018年の治験とは?
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2018年11月のNHKきょうの健康では、子供の発達障害が取り上げられました。
そして、自閉スペクトラム症の治療薬としてオキシトシンが期待されている、というお話もありましたね。
そこで、
- オキシトシンの自閉症への効果や
- 子供向けのオキシトシンのお薬
について調べてみました。
オキシトシンの自閉症スペクトラムの子供向け薬はある?
残念ながら、オキシトシンの自閉スペクトラム症の子供向けのお薬は、まだありません。
日本だけでなく、海外でも、オキシトシンを自閉症の治療に使うことは認められていません。
けれども、日本では、世界にさきがけてオキシトシン点鼻薬の自閉症への安全性や有効性を研究中です。
現在のところは、治験の結果、自閉症にオキシトシンが有効だということが発表され、実用化に向けて動いているようです。
オキシトシンの自閉症への治験<2018年6月29日公表>
2018年3月頃、自閉スペクトラム症の新薬の治験が始まりました。
浜松医科大学の山末教授、金沢大学、名古屋大学、福井大学との共同研究です。
オキシトシンを鼻にスプレーするだけで、自閉スペクトラム症のコミュニケーション障害を改善するというものです。
(オキシトシンの点鼻薬は帝人ファーマと共同開発)
18歳以上55歳未満の男性患者150人を対象に、全国10か所の大学病院で実施されました。
オキシトシンをスプレーする前と後とで、
喜怒哀楽の表情や声色、視線の動きなどを観察し
- 無表情
- 喜び
- 驚き
- 恐怖
- 嫌悪
- 怒り
- 悲しみ
といった項目ごとに数値化することで効果を測定したのです。
オキシトシンの治験の結果
治験の結果、コミュニケーション障害の指標の改善があったそうです。
面談での評価はプラセボ(偽薬)を上回らなかったものの
- 常同行動
- 限定的興味
- 視線
などコミュニケーション障害に関する数値は改善したとのことです。
今後の課題
山末教授は、すでに2013年にも、海外で市販されているオキシトシン点鼻薬でも治験しています。
そのときも
- 患者の表情が豊かになったり
- 会話がかみ合う回数が増える
などの結果を得ています。
けれども、
- 1回だけの投与なら明らかに効果が確認できても
- 反復して投与すると効果が減少するなど
課題もあるようです。
オキシトシンとは?
オキシトシンは、視床下部でつくられて、脳下垂体から分泌されるホルモンです。
脳内では、神経伝達物質としても働きます。
人間関係が良好な時に分泌され、闘争心や恐怖心、不安感などを減少させるといわれています。
そのため幸せホルモン、愛情ホルモンとも呼ばれます。
- お母さんが赤ちゃんを抱っこする
- 恋人同士が手をつなぐ
- マッサージ
など心地よいスキンシップのほか、
- 家族団らん
- 友人とのおしゃべり
など心の交流でもオキシトシンが分泌されるそうです。
もちろん女性だけでなく、男性でも分泌されています。
オキシトシンの薬はある?
オキシトシンは、出産後の子宮収縮や母乳分泌などを促すホルモンです。
そのため、子宮収縮薬や陣痛促進剤としては、日本でも使われています。
海外では、母乳の出をよくする目的で、オキシトシンの点鼻薬も使われますが、日本では、オキシトシンの点鼻薬自体、使用できません。
山末教授は、5年後くらいをめどに製品化を予定しているそうです。
まとめ
私は、睡眠薬などのお薬がいらなくなったころ、どうしようもない不安感や恐怖感にかられると、小学生の息子の布団にもぐりこんでいました。
子供の肌に触れたり、体温を感じたりすると、とても心が安らいだんです。
あれは、オキシトシンの効果だったんでしょうね。
あと、私の父親は、明らかに高機能自閉症です。
まともに会話が成立したことがありません。
生きてる間に一度、オキシトシンスプレーして、会話してみたいものです。