NHK今日の健康「ピロリ菌で胃がんになる!?」2018年11月放送
NHKきょうの健康、2018年11月15日はピロリ菌がテーマです。
(再放送は2018年11月21日)
タイトルは「胃がん直前!?胃炎予防」で講師は兵庫医科大学の三輪先生。
ピロリ菌ってよく聞きますが、胃がんの原因とは知らず…
ちょっと、いや、かなり、びっくり!
今日の健康、ピロリ菌が今日のテーマ
タイトルからすると、胃がんや胃炎についてのお話かと思いました。
でも、今日のテーマはピロリ菌。
じつは、胃がんの99%はピロリ菌が原因なんだそう。
そうなると、胃がんは感染症ということになりますね。
ピロリ菌に感染すると、どうして胃がんになるのでしょう?
ピロリ菌で胃がんになるメカニズム
ピロリ菌で胃がんになるには、いくつかの過程があります。
ピロリ菌感染胃炎(ぴろりきんかんせんいえん)
ピロリ菌は、口から入って、胃の粘膜に住み着きます。
胃に住み着いたピロリ菌は、毒素を出して、胃粘膜をきずつけます。
そして、なんと、感染後、数週間から数か月の間に、ピロリ菌感染胃炎になるそうです。
しかも、その確率は、なんと100%!
でも、ほとんどの人は自覚症状がないんだそうです。
萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)
ピロリ菌感染胃炎になると、ゆっくりと胃酸を分泌する細胞が壊されます。
胃粘膜の損傷は数十年かけて徐々にすすみ、少しずつ胃が縮みます。
その結果、40代~50代で、萎縮性胃炎になります。
けれども、ここにきても、自覚症状はないことが多いそうです。
腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)
胃酸を分泌する細胞が死んでしまうと、胃酸が分泌されなくなります。
すると、胃酸から胃粘膜を守る必要もなくなります。
その結果、胃の粘膜が腸の粘膜に似てくることがあります。
これを腸上皮化生といいます。
胃がん
萎縮性胃炎や腸上皮化生になると、胃がんになる危険が高まるそうです。
そうはいっても、ピロリ菌感染者が、みんな胃がんになるわけではありません。
男性で7人に1人、女性で14人に1人という確率だそうです。
ピロリ菌の感染ルートは?
ピロリ菌に感染するのは、免疫力が弱い幼児のころがほとんど。
殺菌されていない水を飲むなどして、口から感染します。
上下水道が完備した現代では、あまり感染はないそうです。
そのため、いまの若者の感染率は低いそう。
ちなみに、キスでは感染しません。
けれども、食べ物を口移しすると、感染の危険も。
離乳期の子供に、親が噛んだものをあげるのも、ピロリ菌感染の原因です。
でも、いまは赤ちゃん用の離乳食も充実しているので、親が噛んであげることもあまりないでしょう。
ピロリ菌の検査を受けるには?
大人になった私たちは、これから感染する心配よりも、いま、感染していないかどうかが気になりますね。
ピロリ菌の検査はどうやって受けるのでしょう?
胃に病気がある場合
胃カメラなどで、胃炎や胃潰瘍など胃の病気がある場合は、健康保険を使ってでピロリ菌検査を受けられます。
検査方法は6種類あって、いずれでも保険適用です。
- 吐く息で調べる尿素呼気試験
- 便を調べる便中抗原検査
- 胃の組織をとって調べる(いわゆる生検)迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法
- 血液や尿で調べる抗体測定
胃などに病気がない場合
胃が悪くない場合は、自費になります。
費用は病院によっても違いますが、13,000円くらいのようです。
ピロリ菌を除菌するには?
ピロリ菌による胃炎は、長い年月をかけて進行します。
そのため、除菌は早いほうがいいそうです。
20代~30代のうちに除菌すれば、胃がんが発症することはほとんどないそうです。
40歳以降であっても、胃がんの可能性を減らすために、除菌したほうがよいそうです。
胃炎などがある場合
胃炎や胃潰瘍などがあれば、健康保険適用で除菌できます。
ピロリ菌の除菌は、抗菌薬を7日間飲むことで行います。
1回で除菌しきれなかった場合は、もう1度除菌します。
胃炎などがない場合
ピロリ菌に感染していたとしても、胃炎が起きていない場合は保険適用はありません。
自費での除菌費用は、1回あたり20,000円くらいのようです。
まとめ
ピロリ菌に感染していると確実に胃炎になるんですね。
しかも、自覚症状がほとんどないとは…。
ピロリ菌に感染していないのか、感染しているけど自覚症状がないだけなのか。
自宅でできる検査キットなども販売されているようなので、ピロリ菌についてもっと調べてみたいと思います。