ピロリ菌の検査キットで陽性!除菌はどうする?保険証は使える?
自宅で手軽にできるピロリ菌の検査キットは便利ですね。
陰性であればそこで終わりですが
陽性なら除菌を考えなくてはいけません。
ピロリ菌の検査キットで陽性になったら除菌はどうする?
ピロリ菌の検査キットで陽性という結果になったら、除菌を検討する必要があります。
除菌をするには、病院で除菌薬を処方してもらわなければなりません。
- 健康保険が適用されるのでしょうか?
- それとも自費になるのでしょうか?
ピロリ菌除菌を保険適用で受けたいなら
ピロリ菌の検査キットで陽性だったら、その通知書を持っていったら、健康保険で除菌してもらえるでしょうか?
答えはノーです。
キットによる検査結果に信頼性がないからという理由ではありません。
保険証をつかってピロリ菌を除菌するには、条件があるのです。
健康保険適用でのピロリ菌除菌の手順
保険をつかって除菌できるのは、慢性胃炎(萎縮性胃炎)や胃潰瘍などの症状がある人だけなのです。
そのため、胃カメラで胃炎または胃潰瘍があることを確認しなければなりません。
(胃潰瘍や十二指腸潰瘍はレントゲンでも診断可能なようです。
でも、潰瘍だったら、とっくに病院にかかっていますよね)
胃炎などがあれば、保険適用でピロリ菌の検査へとすすみます。
その結果、ピロリ菌がいたら保険適用で除菌できます。
つまり
- 胃炎の確認
- ピロリ菌の確認
- 除菌
という順番なのです。
もし、胃炎などがなかったら、たとえピロリ菌の検査結果が陽性でも、除菌に保険は適用されません。
いずれにしても、保険適用でピロリ菌除菌をするなら、内視鏡検査は避けて通れません。
自費(自由診療)でのピロリ菌除菌
内視鏡なし(胃カメラなし)で
自費でピロリ菌を除菌する場合、2つの方法があります。
病院で再度ピロリ菌の検査をうけてから除菌するか
すぐに除菌薬を処方してもらうかです。
- 検査費用は10,000円くらい、
- 除菌費用は10,000円~20,000円くらいのようです。
自費でやる(=保険を使わない)ということは自由診療。
保険診療は国が単価を決めていますが、自由診療は病院で自由に料金が設定できます。
そのため病院によって費用がちがいます。
また、自費でのピロリ菌除菌に対応していない病院もありますから、電話などで事前に確認したほうがいいでしょう。
病院でピロリ菌検査をうけるときの注意点
ピロリ菌の検査方法は6種類あります。
けれども、このうち3つは胃の組織をとって検査する方法(生検)を細かく分けたもの。
実質的には、
- 吐く息で調べる尿素呼気試験
- 便の中のピロリ菌を調べる便中抗原検査
- 胃の組織のピロリ菌を調べる生体組織診断(生検)
- 血液や尿の中の抗体を調べる抗体測定
の4つにわけられます。
このうち、信頼性が高いのは、尿素呼気試験と便中抗原検査です。
ですが、病院によっては、尿素呼気試験の機械がないこともあります。
便中抗原検査は、通販で使用したものと同じキットを渡されることもあります。
生体組織診断では、とった組織にちょうどピロリ菌がいないという可能性もあります。
血液や尿は、ピロリ菌の有無を調べるのではなく、ピロリ菌に対する抗体の有無を調べる検査なので、そもそも精度が低いです。
せっかくダブルチェックを受けるなら、より信頼性が高い検査を受けたいもの。
尿素呼気試験に対応している病院を選んだほうがいいですね。
除菌後のピロリ菌検査はなぜ必要?
ピロリ菌除菌は、お薬を飲んで終わりではありません。
除菌後に、再度、ピロリ菌検査をしたほうがよいのです。
それは、除菌の成功率は100%ではないからです。
1回で除菌できていなければ、2次除菌を検討します。
2回でも除菌できなければ、3次除菌、4次除菌へとすすむかたもいます。
いっぽうで、除菌はあきらめ、定期的に内視鏡検査を受けて、胃がんの早期発見に努めるという方向もあります。
いずれにしても、除菌後にも検査を受けたほうがいいですね。
除菌後の再検査はすぐできる?
除菌後の再検査は、2ヶ月~6ヶ月くらいあけて行います。
これは、除菌してからピロリ菌がいなくなるまでに期間がかかるからです。
- 尿素呼気試験なら2~3ヶ月後で大丈夫なようですが
- 便中抗原検査は6ヶ月くらい待ったほうがいいようです。
これは、ピロリ菌の死骸が、胃の組織の新陳代謝にともなって排泄されることがあるためです。
除菌したら胃炎は治る?
ピロリ菌感染による胃炎は、ピロリ菌を駆除することで、改善することが多いそうです。
ピロリ菌が胃にいた期間が長いほど、回復にも時間がかかります。
そのため、なるべく早い時期に、検査・除菌することがおすすめです。
年齢的には、15~30歳代くらいがいちばん効果的だといわれています。
中学生もピロリ菌を除菌したほうがいい?
子供は、肝臓ができあがっていません。
だから、お薬には子供用があるし、お酒を飲むことも禁じられています。
ピロリ菌の除菌では、大量の抗生剤を飲むことになります。
そのため、成長期の子供には、副作用による悪影響も心配されています。
また、早くに除菌しても、再感染することもあります。
まとめ
ピロリ菌に感染していると、程度や速さの差こそあれ、100%萎縮性胃炎になるそうです。
そして、萎縮性胃炎から胃がんへと進行する人も一定割合いるそうです。
確実に病気になることが分かっていて、かなりの確率で予防できるなら、ピロリ菌の検査は、受けておいたほうがいいですね。
検査してみて陽性だったら病院へいきましょう。